北海道マラソン コース解説、攻略

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コース解説(前半〜中盤)

1. 前半(スタート〜10km):大混雑、下り坂の罠、そして「孤独」との戦い

📸 おすすめ写真スポット:大通公園(スタート)& すすきの・ニッカのおじさん(1km付近)

スタート地点の大通公園では、青空に映えるテレビ塔をバックにした最高の景色が広がります。そしてスタートしてわずか1キロ、札幌の街・すすきのの交差点に差し掛かると、あの有名な「ニッカウヰスキーのおじさん(巨大看板)」が出迎えてくれます。遠征ランナーなら絶対に写真を撮りたくなる、前半最大の映えスポットです。

⚠️ 最初の関門(〜6km):大混雑、給水所の罠、そして「中島公園の隠れトイレ」

ニッカのおじさんを過ぎてから6キロ付近までは、坂やカーブが多く、マンモスマラソン特有の大混雑が続きます。ここで無理にペースを上げようとするのは絶対にNGです。また、この序盤にある給水・補給所は尋常じゃなく混雑します。ここで焦って突っ込むとランナー同士の接触事故に繋がるため、「左右前後をしっかり確認しながら、徐々に左手に寄る」のがコツです。もし大列ができていたら、思い切ってスピードを緩め、歩きながら給水することも視野に入れてください。ちなみに私は、序盤の混雑した補給所は最初から諦めて、自分で用意して持参した「凍らせたポカリスエット」でしのぐ作戦を取りました。これなら混雑に巻き込まれずに自分のペースで水分と糖質を補給できます。そして、大混雑の給水所で「水」だけはなんとかゲットし、飲むのではなく「体(首元や頭)にかける」ことで、序盤の体温上昇を徹底的に防ぎました。

💡【地元民の裏ワザ】スタート前のトイレを逃したら中島公園を狙え!大通公園のスタート地点のトイレは、信じられないほどの大行列になります。もしトイレを済ませられずにスタートしてしまった場合は、序盤の中島公園エリアがチャンスです。ここには仮設トイレが設置されているのですが、まだ序盤ということもあり、さらにちょっと気づきにくい場所にあるため、多くのランナーがスルーしがちで待ち時間が少なめです。スタート直後からあらかじめコースの右手側に寄って走っておき、中島公園の隠れトイレにサッと駆け込むのがスマートな攻略法です。

⚠️ 2つ目の罠(6km〜):南平岸からの快適すぎる下り坂6キロを過ぎると、南平岸から札幌駅方向へと戻り始めます。ここは綺麗な下り坂になっており、かつ自分の体も温まってきているため、「お、いけるじゃん!ペースを上げよう!」と思いがちです。正直、めちゃくちゃ気持ちよく走れてしまうエリアです。

しかし、ここでのペースアップは後半の貯金ではなく「借金」になります。ここで意識すべきなのは、「あえて鼻呼吸と口呼吸を深く繰り返すこと」。意識的に深い呼吸を刻むことで、自分の息が上がらないようにし、スピードが出すぎないようにセルフリミッターをかけるのがおすすめです。

⚠️ 10km地点の壁:創成川の地下トンネルと、急な「孤独」ランナーを包む創成川の地下トンネルを抜けると、ちょうど10キロ地点です。トンネルを脱出した瞬間、目の前の道路が急に広く感じられるようになります。日陰が一段と少なくなり、真夏の太陽が牙を剥き始めます。周りには確かにたくさんのランナーが走っているはずなのに、遮るもののない広い道路に出た瞬間、なぜか急に「猛烈な孤独感」が襲ってくるのがこの10km地点の特徴です。ここから、いよいよ自分自身の心との戦いが本格的に始まります。

2. 中盤(10km〜20km):新川通りへのプロローグと、トップ集団とのすれ違い

⚠️ 15km付近(南新川マック):家族からの補給と、反対車線のピリついた空気孤独を感じ始める10キロを越え、コースは新川通りへと近づいていきます。南新川のマクドナルド付近まで来ると、反対側の車線(折り返しコース)では、先頭集団を先導する誘導車の準備やスタッフの配置などで、運営の方々が慌ただしく準備しています。

もし家族や友人に私設エイドを頼めるなら、このあたりでの配置を段取りしておくのがおすすめです。

📸 15km地点での「先頭集団とのすれ違い」と、市民ランナーの本音

走り出して15キロを過ぎたあたりで、反対側の車線をものすごい風の音を立てて折り返してきたトップランナーの集団とすれ違います。

位置的におそらく、先頭の選手たちはすでに35キロ付近を走っている計算になります。
自分がまだ15キロしか走っていないのに、トップはもう35キロ以上走って戻ってきているという次元の違うスピードには、何度見ても驚愕します。

このとき、周囲の市民ランナーたちが先頭集団に向かって「頑張れーー!」「いけーー!」と惜しみない歓声と拍手を送り始める、市民マラソンならではの温かい一体感が見られます。

……ただ、すでに暑さでボロボロになりかけている身としては、心の中でちょっとだけこう思ってしまうのもまた、市民ランナーのリアルな本音です。

「いや、人のこと応援してる場合じゃねえわ。声かけるのも大事だけど、我々もまず頑張りましょうや……!」と。

周りの綺麗なスポーツマンシップに一瞬置いてけぼりにされながらも、迫り来る自分自身の危機(新川通り)を感じずにはいられない瞬間です。そんな複雑な雑談を胸に抱えながら、コースはいよいよ、遮るもののない太陽とアスファルトの凸凹が待つ悪名高き「新川通り」の本体へと突入していくことになります。

3. 後半(21km〜30km):ひたすら忍耐の時間と、エイド(補給所)のサバイバル現実

💡【家族・友人の応援】新川通り付近の「お店」をピンポイントで指定せよ

21キロ付近まで来ると、いよいよ足や体に本格的な疲労が溜まってきます。もし家族や友人に私設エイド(差し入れ)を頼めるなら、この新川通りの直線に入ってすぐのエリアがベストです。
新川通りはどこまでも続く直線で大混雑するため、なんとなく待ってもらうとまず会えません。「新川通り沿いにある〇〇(コンビニや飲食店など特定のお店)」をあらかじめピンポイントで指定しておくのが、確実に合流して補給を受け取るための鉄則です。

⚠️ エイドの現実:パンは喉に詰まる&前田森林公園は「売り切れ」を覚悟せよ

このあたりから公式の補給所でも、水だけでなく食料が出始めます。
バナナやパンなどが用意されていますが、真夏の猛暑で口の中がカラカラに乾いているランナーにとって、パン類は正直に言って喉に詰まるのでおすすめしません。私は水分が多くてさっぱりしたミニトマトをもらう程度に留めていました。

また、23キロ付近にある「前田森林公園」は大会最大規模の補給所です。色々な種類の補給食が用意されている……とガイドブックには書いてありますが、現実をお伝えします。
サブ5や完走ギリギリのペースを走るランナーがここにたどり着く頃には、めぼしい補給食はほぼほぼ取り尽くされて(売り切れて)います。

ここは、多くのランナーがエネルギー切れを起こしたり、一生懸命練習してきた人でもリタイアを選択し始める「鬼門の距離」 spiritual でもあります。

⚠️ 人溜まりの罠:必要な補給をとったら、とっとと走り出せ!

前田森林公園のエイドは、ボロボロになったランナーたちが大勢休んでいるため、中に入ると「みんな休んでいるから」とついつい安心感に包まれて長居してしまいがちです。

しかし、ここで長く座り込んだり休んだりすると、一気に汗が引いて体が冷え、終わった足が二度と動かなくなってしまいます。私は最初からここの大混雑エイドは「スルーする」と諦めていました。もし立ち寄る場合でも、必要な水分や補給を取ったら、体が冷える前にとっとと走り出す(歩き出す)のが、新川通りを生きて生還するための最大の秘訣です。

🟢 ついに折り返し:ここを越えた自分に自信を持て!

前田森林公園の混雑をやり過ごし、さらに1キロほど進むと、ついに待ちに待った「新川通りの折り返し地点」が現れます。

「ついに、ついにここまで来た……!」

反転して大通公園へ向かう復路に入った瞬間、自分の足でここまで走ってこれたことに強い自信を持ってください。
経験から言わせてもらえば、真夏の北海道マラソンで、この新川通りの折り返し地点までたどり着ける走力があるランナーなら、あとは足を引っずりながらでも、諦めなければまず完走できます!


4. 最悪のメンタルゾーン(26km〜32km):陽炎のビル群と、濡れた路面の罠

⚠️ 26km〜30km:はるか遠くのビル群に惑わされるな

折り返しを過ぎた26キロから30キロまでの4キロメートルは、このコースの中で最も精神的につらい時間帯です。
まだ距離の十の位が「20代」である絶望感に加え、遮るもののない直線道路のはるか遠くを見ず据えると、ゴール付近のビル群が陽炎(かげろう)のように薄っすらとチラチラ見えてしまいます。「あそこまで走らなきゃいけないのか……」と、あまりの遠さに心がポッキリ折れそうになるエリアです。

ここでの最大のコツは、「絶対に遠く(先)を見据えないこと」です。
遠くを見るのはやめて、足元や数十メートル先だけを見つめながら、「あと1キロだけ頑張ろう」「あの電柱までの500メートルだけ走ろう」「腕時計を見て、とりあえず次の5分間だけ足を動かそう」と、とにかく目標を極限まで小刻みにして、コツコツと距離を積んでいくこと。これこそが、新川通りの後半を生き抜くための唯一のメンタルコントロール術です。

🟢 救世主(30km過ぎ):新川通りを抜けた先の「コーラ」は絶対に飲め!

コツコツと距離を積み、ついに新川通りを右折して一本道を抜けた瞬間、目の前がパッと開けるような猛烈な解放感が押し寄せます。

引いて、新川通りを抜けた先にある補給所には、ランナーの救世主が待っています。ここで出されるコーラは、何が何でも必ず飲んでください。
冷たい炭酸の刺激と糖質、そしてカフェインが体に染み渡り、暑さで朦朧としていた集中力が嘘のように一気に回復します。ここからあと一踏ん張りするためのエネルギーをチャージしましょう。

⚠️ 終盤の罠(30km〜32km):ぐちゃぐちゃの路面と、周囲のランナーの暴走

32キロ付近まで距離を積むことができれば、頭の中でこう反芻(はんすう)して、まずは自分自身を褒めて喜んでください。
「ここまで来られたんだ。諦めなければ、もう絶対に完走できる!」
ただし、ここからは足元に別の危険が潜んでいます。
このあたりまで来ると、自分自身の足元もかなりふらついてきますが、ランナーたちの汗や被り水、そして投げ捨てられた大量の紙コップのせいで、路面は信じられないほどぐちゃぐちゃに濡れています。
特に補給所の周りは水浸しで非常に滑りやすくなっています。周囲を走るランナーたちも完全に余裕を無くしているため、急な進路変更や接触が起きやすい時間帯です。
給水をもらうときは、序盤以上に「左右前後を必ず目視で確認して、徐々に寄っていく」ことを徹底してください。怪我なく安全に最後の北大へと繋ぐための、ベテランの鉄則です。
5. 最終盤(35km〜ゴール):北大の「隠れ坂」と、涙の赤れんが庁舎
⚠️ 35km〜:北海道大学(北大)構内の「スパート厳禁」と我慢の走り
ボロボロになりながら距離を積み、ついに前方に北海道大学(北大)の敷地が見えてくると、誰もが「帰ってきた!」とホッとするはずです。緑豊かな美しいポプラ並木は、走っていて本当に気持ちの良いロケーションです。
しかし、ここからが最後の知られざる難所です。
実は、北大構内の北海道マラソンルートは、目に見えないレベルで「緩やかな上り坂」になっています。
一見平坦に見えるため、ゴールが近づいた興奮もあって「よし、ここからスパートをかけるぞ!」とペースを上げてしまいがちですが、それは大きな罠です。ここで無理をすると、残り2キロという一番大事なところで足が完全に(つ)り、痛い目を見る(歩く羽目になる)ことになります。
最後はやっぱり、トボトボ歩くのではなく「しっかり走ってカッコよくゴール」したいですよね(笑)。
そのためには、この北大構内はとにかく我慢のエリアです。
思った以上に長く感じられる構内ですが、焦ってペースを上げようとせず、「あえて背筋をピンと伸ばし、呼吸を深く整えること」だけに意識を集中させてください。自分の方程式である「疲れない呼吸」を維持して、体力を1ミリでも残す走りを心がけましょう。
📸 最高の感動スポット(40km〜):道庁赤れんが庁舎での「うるっとくる応援」
北大の長い構内をようやく抜けると、コースは国の重要文化財である北海道庁(赤れんが庁舎)の敷地内へと入っていきます。
この美しい歴史ある道庁の中を走り抜ける瞬間は、間違いなくこの大会最大の感動ポイントです。沿道では大会公式の応援団やたくさんの人々がものすごい熱量で迎えてくれており、その温かい声援に、ボロボロで走ってきたランナーは思わずちょっとウルッと心に込み上げてくるものがあります。ここまで諦めずに走ってきて本当に良かったと、心の底から思える瞬間です。
🏁 41km〜ゴール:新川通りから生還した喜びを噛み締めろ!
道庁を通り過ぎたら、フィニッシュ地点である大通公園4丁目までは、本当にあともう一息、目と鼻の先の距離です。
残った最後の力を振り絞って華麗にスパートをかけるもよし。
愛おしい瞬間の景色を網膜に焼き付けながら、一歩ずつ確実に進めるもよし。
あの過酷でどこまでも長かった「新川通り」から、自分の足で無事に帰ってくることができたという最高の喜びと達成感を、五感のすべてで噛み締めながら、堂々と栄光のフィニッシュゲートを駆け抜けてください!

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