地元の北海道マラソンを5時間30分で終え、その後もさらに2回のフルマラソンに挑戦しました。しかし、結果はすべて5時間半前後。何度走っても、決まって20キロから30キロの壁にぶち当たり、足が止まって歩いてしまうのです。
「完走はできる。でも、サブ5には届かない。これは根性論ではなく、練習のやり方そのものが根本的に間違っているのではないか?」
そう思い至った私は、必死にランニングの指導書や情報を調べ漁りました。そこで出会ったのが、あのシドニー五輪金メダリスト・高橋尚子さんを育てた小出義雄監督の本でした。タイトルは、『フルマラソンは毎日走っていても完走できない』。表紙を見た瞬間、「まさに今の自分のことだ……」と衝撃を受け、その場で即購入しました。この本に書かれていた教えを自分なりに要約すると、
重要なポイントは以下の4点でした。
1. ペース走で「足(心肺と筋力)」を鍛える日を作ること
2. LSD(ゆっくり長く走る)で「持久力」を鍛える日を作ること
3. 本番までにハーフ、できれば30キロを走る(小さな大会に参加してみる)こと
4. レース前半はとにかく徹底して抑えること
これまで自分なりにメリハリをつけていたつもりでしたが、この本を読んだことで、それぞれの練習の「目的」と「具体的な数値」が驚くほど明確になりました。
サブ5達成のための「シン・トレーニング計画」小出監督の理論をベースに、私は自分の現状に合わせた具体的なメニューを再設定しました。サブ5を達成するための本番レースペースは、およそキロ7分ペース。これに対して、日々の練習を2つの柱に分けました。
• ① 足を鍛える「ペース走」本番のサブ5ペースよりも一段速い、キロ6分ペースで5キロ〜10キロ。あえて負荷をかけることで、本番のキロ7分が「楽」だと感じられる足を作ります。
• ② 持久力を鍛える「LSD」休日を中心に、90分〜120分をキロ7分ペース(調子が上がれば少し上げる)でじっくりと走り、後半に足が止まらないスタミナの土台を作ります。
戦略の方向性は間違っていなかった。あとは、この取り組みをこれまで以上に明確に、そしてサボらずに「実行」していくだけです。書籍にはサブ5以上のことから初フルマラソン(全くのゼロ、ウォーキングから練習される方)向けの練習方法、解説が載っています。小出監督の経験からくるノウハウも参考になり結構な、名著だと思います。興味のある方はぜひ全文読んでみてください。
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トラウマへの挑戦。エスコンとモエレ沼の「夏の陣」
小出監督の「本番までに30キロを走ってみる(小さな大会に出る)」という教訓を実践するため、私は夏の北海道で2つのレースにエントリーすることを決意しました。
• 7月前半:エスコンフィールドでのハーフマラソン
• 7月後半:モエレ沼公園での30k(30キロ)マラソン
正直なところ、ハーフマラソンに関しては、当時の自5時間半の壁と、ある名著との出会い。分の実力なら2時間10分を切るくらいで走れる計算だったので、そこまで心配はしていませんでした。
しかし、問題は後半の「モエレ沼30k」です。エントリーのボタンを押すには、かなりの勇気が必要でした。なぜなら、私の頭の中には、これまでの4回のフルマラソンで味わった「20キロ過ぎのスタミナ切れのトラウマ」が強烈にこびりついていたからです。30キロの大会なんて、走る前から地獄になる未来しか見えませんでした。しかし、今振り返ってみると、この勇気を出して参加した「モエレ沼30k」こそが、私がサブ5を達成するための最大のキーポイント(分岐点)となったのです。次回へ続く

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